Hello Myokoは卒業生や妙高の関係者から在校生へ地域の人へ、妙高をテーマにしたエッセイやインタビュー記事です。
今回は、妙高への移住者でもあり妙高でいくつものカフェを展開しているMyoko Coffee代表の野村 功太朗(のむら こうたろう)さんです。妙高移住のきっかけやカフェ店舗オープンの裏のお話をテレワーク研修施設ベースキャンプにてインタビューしました。
〜みんなでおもてなし〜 野村 功太朗 氏
妙高市田口在住
Myoko Coffee 代表
学生時代
出身は新潟県長岡市。中学部活は器械体操だったけど熱心でなく、高校ではすぐ原信でアルバイトをしていました。特に将来こうなりたいと考えもなく、趣味も特になかったですが、とにかく社会の色んなことに触れるようにしていました。人との会話が好きだし、レジ打ちから惣菜担当まで、年代の違うパートさんと話すと吸収することも多かったです。工業高校から工科大学へ進学しましたが、大学生で自由な時間が増えて、自分のやりたい事を突き詰めていきましたね。
長岡の自宅から柏崎の大学まで車通学していたので、色んなところへ動けるようになり、スノーボードをするためにスキー場へもよく通うようになりました。やりたい事や好きな事を優先する性格なので、時には大学と反対の魚沼のスキー場に向かってることもありました。スノーボードばかりやってるとお金が足りなくてバイトしなくちゃいけない。パチンコ屋、ゲームセンター、室内スキー場、カフェなど色々やった中で、人と関わるカフェが好きだったんですね。
Coffeeとの出会い
柏崎の大学在学中に妙高へスノーボードで来ていました。卒業後、夏場は横浜で暮らし、冬はスキー場に籠る生活を2年ぐらいして、その間に、カフェでアルバイトを始めたのがコーヒーとの出会いです。
Myokoとの出会い
インバウンドが始まった白馬村のコーヒーショップで手伝いをして、オーストラリアでカフェを経営している常連客に「オーストラリアへ働きにおいでよ」と誘われてオーストラリアで5年間、色んなお店で働きました。日本へ帰国したタイミングで、友人テッドさんが妙高赤倉でカフェを併設したスノーボードショップを展開したいと相談があり、それがスキー場ではなく妙高へ足を踏み入れたきっかけです。
オーストラリアで5年間スノーボードができなかったので、出身新潟の妙高でスキー場も近く好きなコーヒーの仕事ができる!来たらいい所で、関川に家を購入し生活を始めました。
妙高へ移住する前は、長岡からスキーへ行く場所、初めて行った遊園地の妙高サンシャインランドという自然のある観光地というぼんやりしたイメージでした。
実際生活してみると観光業を生業にしている方も多く、国内外問わずみんなでおもてなしをしなくてはいけない。住んでおもてなしをするコミュニティがいい意味で距離感が近く、自分がコーヒーを始めた時も自分を認知してくれて「こんなことを一緒にしよう」「誰々さんとこんなことをしたらいいんじゃない!」とネットワークの広がり方が早いと感じました。「妙高でコーヒー屋さんをしている野村さん」と知ってもらうと、そこからの広がり方、事業間での繋がりでコラボのアイデアを切磋琢磨し、みんなで協力した商品を観光客へ販売できるのが魅力だなと感じました。
Myoko Coffee
母と一緒に移住して来て、母も地域の人も、ゆっくり過ごす憩いの場があればいいなとぼんやりと考えていました。
当時、オーストラリアの紅茶茶葉を扱っている卸売り事業をしていて、飲食店、レストランの小売店からオンラインで注文を受け、パソコンで倉庫から出荷の指示を出す仕事なので、住む場所はどこでも可能な状況でした。その柱となる仕事があるから、自由な時間で自分の好きなコーヒーを地域に良い形で落としたいとMyoko Coffeeを始めました。名前も妙高のコーヒー屋さんだから「Myoko Coffee」でいいかなと。。。最初店舗を持たずにイベント出店の活動が中心で、「コーヒーの野村さん」と覚えてもらった良いきっかけでした。売上ではなく、自分が勉強してきたコーヒーを知って欲しくて、シェアしたいのが始まりでした。
オリーブ整骨院のつながりでカフェをやりたい同年代の桐山めぐみさん(高原中卒業生)と知り合い、タイミングよくライムリゾートのカフェ事業に声をかけられたので、彼女を店長にカフェ第一号を開店しました。家にあったエスプレッソマシンとセミナーで使用していたドリッパーやミルを持ち込んで、お金をかけずにスタートしました。(笑)
Myoko Coffee黎明期
自分がカフェに立つ個人事業主なら大丈夫ですが、一人を正雇用するにはそれなりの売上を出す必要があり到底売り上げが届かず、交代要員を雇う経費もかかり難しかったです。そんな中、観光地として安定した売上が確保できる店舗を探している時に、アライリゾートゴンドラ乗り場のカフェを青年会議所からお話をいただきました。スノーシーズンのインバウンドのすごい客数は、順調に売り上げも伸び一安心しました。スタッフの給料も確保できましたし!
この2店舗では仕入れたコーヒー豆でした。妙高市で焙煎した豆ならブランド力も上がるし、原価も下がるので焙煎所と販売用菓子製造ができる本拠地を作りたいと初めての路面店「北新井店」を開店しました。自焙煎豆に切替え菓子製造も加えて、全店舗で振り分けていきました。
ただ、ここでコロナが始まり、アライリゾートの売上が急減しました。国内顧客の売り上げはありましたが、雇用は続けなくてはいけない。アライリゾート店のコンセプトは「スキー場で飲める一番美味しいコーヒー」で、スキー場なのに本当にコーヒーにこだわったコーヒー屋さんがあるってスキー場のお客様には魅力的だと思うし、それがきっかけでリピーターも増えると嬉しいですね。それを実現するにはプロフェッショナルなバリスタの存在が必要です!それを育てなくてはいけない。
通年雇用の体制と通年の売上を作るにはライムリゾート店、北新井店に加え、新設されるビジターセンターのカフェを懇願しました。これで、通年で教育された優秀なスタッフが保持できます。手を広げて色々やっているのねと言われますが、苦肉の策です。
観光地妙高では、閑散期の問題が必ず発生するのでそこを埋める案としてこうやって展開してきました。
Myoko Coffee成長期
店舗数が増えると製造のスピードが追いつかなくなって、コーヒー豆を焼いても焼いても間に合わない状況も続いています。嬉しい事にお宿さんや自宅での利用も増えて、そこは一番望んでいた点です。旅に来て美味しいものの記憶ってその土地を好きになるきっかけだと思うんですね。妙高に来てどこでもコーヒーが美味しかったねとなれば、また来てくれると思うし、そこは伸ばしたいので、製造が追い付かないなんて言ってられません!なので、7倍の7キロの焙煎機を導入しました。製造にかかる時間を減らして取引先も増やせば、価格も下げられます。
そんな中、妙高高原駅の店舗の話があり、焙煎専門所を移しました。来春のカフェ併設店舗オープンを準備しているところです。妙高高原駅は妙高の玄関口です。良い印象と帰りにも寄ってもらう場所になるといいな。「みんなでおもてなし」として自分達が顔になればいいなと思います。自分の人生観に近い、色んな人と関わるきっかけとなるように、雪でも移動販売が入れるようにスペースは広く残し、他の地域で活躍している人を地元の人にも紹介したり、他の地域の人にも仕事として妙高高原に取り込む事もできるので、波が起こり大きな干渉をし合う考えになれば良いと思います。
若い時に色んな人と会って勉強している間にセンスが磨かれるので、色んな人のもとに行って話を聞くのが大事だったなと思います。オーストリアへ行った時も20代前半で、恐れずどんどん進むビジネスの姿勢を見てしみついたのかもしれません。
目標は大事だけどあまり計画しないようにしていますね。例えば、「今夜、東京出張です」「宿泊先どこですか?」「いえ、まだ決まってません」「じゃ、うちにおいでよ」と繋がりができたり、誘われたら断る理由がないと意識してますね。色んなところに出向いて色んな人に会うという大きな波を感じる事を大事にしています。
ビジネススクールへ通ったわけでもなく、センスや感覚に頼ってきた上に、税理士さんから勉強して、「なんでこれが上手くいっているのか」「なんでこれがダメだったのか」を数字にあてはめたり理論をつけていくことが、大人になっていくことなんだなと自分の中で感じています。
Myoko Coffee発展期
本業も継続していて、今でも全国各地を回っています。全国で流行っている物やお洒落な情報を持ち帰り、Myoko Coffeeで還元してます。昨日は大会で日本一のコーヒー屋さんになった名古屋の方を駅前店舗に招いてセミナーを開催しました。コーヒーに関係する人が30名ほど集まって今後やりたいと思っているセミナーを試験的に開催できました。
高校生アルバイトは結構頼りにしています。場所的には北新井店が来やすく、3人ほど土日だけ自転車で来てくれています。お子さんがいる方も保育園の時間帯だけでも働けるように、ライムリゾート店営業は12時から16時に設定しています。
ビジターセンターのお店は忙しいので大変ですが、今や全自動でも美味しいコーヒーが出来るのでコーヒーマシンの操作を覚えれば、入って二日目から一人で回せる店になっています。
「地元妙高のMyoko Coffeeで働いていたので将来カフェを開きたいです。妙高でいい場所見つけたのでカフェやります」なんて最高じゃないですか!いい店が増えて居心地の良い妙高になる。ライバルじゃないですからね。
妙高で一番好きな景色
蔵々(ぞうぞう)の景色は最高です。この冬は少人数スノーシューツアーで雪の上でコーヒーをいれたいと思ってます。なににもない真っ白い空間で山を見上げるのは贅沢な時間です。超シークレットスポットです。
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