Hello Myokoは卒業生から在校生へ地域の人へ、妙高をテーマにしたエッセイやインタビュー記事です。
今回は2022年2月11日大雪の日にアウトドアショップ「STRIDE LAB 妙高」をオープンした駒村俊介さんと佐野弘史さんに、場所を妙高高原駅前を選んだ経緯や地元への思いをお聞きしました。
〜妙高高原駅前から始まる夢〜
STRIDE LAB 妙高
駒村俊介(1995年卒業) 妙高高原関川在住
佐野弘史(1998年卒業) 妙高高原新赤倉在住
Q:お店について
佐野:日本のブランディング会社LOTUS(ロータス)でALTLA(アルトラ)やTeton Bros.(ティートンブロス)の商品を扱っていて、並行して(株)STRIDE(ストライド)を運営し全国に直営店を展開しています。駒村はSTRIDEの社員で、僕はLOTUSの社員です。LOTUSの社長が旦那さんで、STRIDEの社長が奥さんというグループ会社で、奥さんのお父さんが、妙高のクラインガルデンに移住して数年妙高暮らしを経験し、今も妙高に住んでいます。妙高に縁があったり、トレイルやスキー等のアウトドア商品を扱っている中で、妙高というフィールドでお店を立ち上げたいとなり、妙高出身の駒村と僕が採用されて、ここでショップを開店することになりました。
駒村:取扱商品は、ALTRAのランニングシューズとTeton Bros.のウェアを中心としたアウトドア商品全般です。
Q:この場所を選んだ理由は?
佐野:オンラインもやってます。ショップ立ち上げの理由もいくつかあって、ブランドが展開している商品は、なかなか地域のアウトドアショップではモデルによって色やサイズが揃ってないことが多いんですが、直営店であればALTRAのシューズならしっかりビシッと揃っていて、フィッティングをしてもらいます。卸もしているので、ALTLAのシューズで困っている人がいれば、ここでフィッティングをして自分の
行きつけのショップで購入してもいいし、ここで購入してもいいし。Teton Brosに関してもサイズやモデルを迷っている人にアドバイスしたり情報発信する場所としても機能させたいのが一つです。フィールドの近くでもあるし。
駅前の理由も色々あって、モデルケースとして北海道倶知安駅前にSTRIDE LAB ニセコ店があって、ニセコも駅前はシャッター街になったもののインバウンドや外国の投資があって、リゾートエリアに人の流入が始まりました。そういう時に若い人達が新築でお店を立ち上げるのはすごくハードルが高いんですが、シャッターの店舗を借りて自分達で手直ししてお店を立ち上げる可能性はあるんです。それが出来るのが駅前なんです。僕たちが一石投じてみんながどう反応するかを見てみたいんです。小さい頃から栄えている妙高高原駅前を見てたので、八百屋を新しく開店するのは難しいけれど、アウトドアショップや妙高コーヒーさんのカフェとか手作りショップでシャッターを開けて欲しい期待があります。
駒村:トレイルランニングやスキーをやっている外のお客様にも来て欲しいですけど、やっぱり地元の人に入ってもらって健康に過ごして欲しいのが一番の思いです。足は一生付き合っていく大事な物で、足に合わない靴を履くことによって足の病気にもなるので、子供のうちから履いて欲しい気持ちがあります。歳をとって足が痛くて歩きたくない方でもALTRAの靴を履いて、「足が痛くなくて元気に歩けるわ」という状況にもなって欲しいですね。
佐野:20代後半から30〜40代前半は、自分のやりたいアクティビティに対して興味を持って物を買い集めますけど、中学生の若い世代へどうやってアプローチしていくか考えなくてはいけないし、若く骨が柔らかいうちは無理して欲しくないです。シューズは我慢して履くもので、痛くて当たり前と思っている人が多いんです。そこは靴を選んで履いてもらうように投げかけていきたいと思っています。ウォーキングも生涯スポーツですし、足が痛いけど身体を動かしたいとウォーキングする年配者の方にも履いてもらいたいです。地域に密着したいですね。
Q:Teton Bros.のウェアについて
佐野:Teton Bros.との付き合いは古いです。25才頃に東京でスキーの仕事にした時に、元々スキー選手で裏方の仕事になってスキーが嫌いになった時期がありました。5年ほどスキーにも地元にも背中を向けて東京で仕事を頑張ってましたけど、定期的に地元に帰った時に、「妙高っていいな」って思うんですね。特に東京のど真ん中にいると生活しづらいし、お金もどんどん消費する。そんな中でTeton Bros.のオーナーと出会って「スキー出来るんだからもったいないよ。しようよ!」って誘ってもらって、流されるままにバックカントリーに行ったりしました。本質的にスキーが好きだから、火をつけて貰いました。そのままTeton Bros.に就職して長いおつきあいになりました。コロナ禍になって家族と相談して、一旦退職して妙高へ帰って来ました。また、Teton Bros.を扱う会社で働くことが出来てます。Teton Bros.は日本の会社で、11年と新しいですけど、自分達が楽しむためのウェアを作りを続けているので、すごく共感しています。アウトドア、特にバックカントリーでは命の駆け引きが生まれてくるので、安全性や命を守る行動は重要で、その中で必要な機能を追い求めている姿勢を社内で見て来ているので、そういう部分を見て貰いたいと思っています。社長も例えば*ビーコンチェッカーを設置したりと妙高バックカントリーの安全面での多大な協力もあり、Teton Bros.を広めていきたいなという思いもあります。今は冬物ですが、夏からはラインナップも見せれるようにしたいし、ALTRA同様、ショップでの品揃いにびっくりする方もいるので、普及活動もしていきたいです。アウトドア商品は値段も高いですが、必要な機能を搭載しているので説明すると山やアウトドアが好きな人は理解してくれるので、もっと広げていきたいと思っています。
Q:ALTRAのランニングシューズについて
駒村:私自身、クロスカントリースキー引退後、真剣に走るようになったんですが、なかなか合う靴がなくて、走っていてもどこかが痛いとか故障したりしている中でALTRAに出会いました。「こんなに楽に走れる靴があるんだ!」どこにも負担のかからない靴って素晴らしいなといちユーザーとして履き始めたのが最初です。
今年で10年目で若いですがコアなファンがいるアメリカンブランドです。この辺ではネットで情報を見つけても試してみるお店ががない、自分自身でもどうにかならないかと思っていた矢先にこの仕事の話があって、「是非このエリアで出来るなら!」とランナーにも地元の人にも履いていただきたいという思いでやってます。
フットシェイプいう足形の靴デザインです。足本来の進化した形が一番で、かかとと爪先の前後差が全くないフットシェイプとゼロドロップの2つが特徴です。足そのものがコンセプトです。しっかりフィッティングもしますので、見て履いていただきたいですね。サイズは19cmから、子供用は普段履き用もあり小学生から履いて欲しいですね。
中学生から長距離を走っている子は、「厚底厚底」って言うんですが、ALTRAは本来の自然な足の形です。カーボンが入っている靴はかかとが厚くて前が薄い形になっていて、故障の原因になるとはっきり言われています。それとは真逆の方向で、若いうちはしっかり自分の力で走るのを身につけて欲しいです。サイズも豊富で専門的なアドバイスもします。
Q:スキーとの出会いは?
駒村:小学生時代アルペンかクロカンを選ぶ時に、二つ上の兄がやっていたのでクロカンを始めました。中学では最初、クロカンを続けるか迷ってましたが、先生に熱心に説得されてスキー部に入り社会人まで続けて、トリノオリンピックに出場しました。高原から5人出たんですよ。(クロカン:恩田祐一、駒村俊介、横山寿美子、バイアスロン:笠原辰巳、スキーノルディック:北村隆 敬称略)すごいですよね。一回の大会に5人も出るなんて!成績は...(笑)行って楽しみました。
オリンピックはやっぱり観客がすごいですね。海外のレースは全体的に人気でお客さんがいっぱい入りますけど、オリンピックは特にすごいです。国内では考えられない人が集まるので、コース脇でも人がいない場所がない。そんなコースを走ると気持ちが高まりますね。今も現役で、前回の国体では優勝しました。今年はオープンショップと重なりましたが、来年は日程が調整できれば挑戦したいですね。
土曜日は育成会のコーチをして日曜日は学校保護者会のコーチをしています。
佐野:僕の中学時代の同じ代のアルペン部員は2人しかいなくて、小学校で辞める子が多かったです。比較的親も協力的で全国で活躍している7つ上の兄の影響も大きく、父が兄の高校生の練習に連れて行ったり、環境を作ってくれたので自然と続けましたね。社会人3年間は選手を続けました。大学2年までは競技スキーで3年からは技術選も始めて、基礎スキー競技スキー同時進行でした。他の種目をやるとスキーが楽しいんですよね。自分に伸び代がある、上手になれると足りない部分を見つけてね。就職もデモンストレーター、基礎スキーをやるのを前提で入社しました。スキーをやりながら営業しました。いまだに何かしらスキーに関わっていますね。
Q:これからの君たちへ
駒村:クロカンは今、学生を辞めると競技を続ける環境が本当にないですね。僕らの時代でも社会人として続けるのは厳しい状況で、自分自身も大学卒業後しばらく空白の期間があって、親のすねかじってバイトをしてなんとか続けていました。スポンサーもつきましたけど、非常に難しい部分ですね。子供達を見ていて、中学校で高校で大学でスキーを辞めると決めている子よりもその先のオリンピックに出たいと思い続けている子の方が強いですね。夢や目標は大きく持って貰いたいです。中学生なら全中で勝ちたいというのが大きな目標ですけど、その先も見えるくらいの大きな目標を持って頑張って欲しいですね。
僕自身も小学生の時に水泳もやっていて、鈴木大地さんを見てオリンピックに出たいと思いました。それは大きな影響でした。今回の北京オリンピックでも妙高から冨田姉妹の身近な選手がいますからね。
夢は必要です。
*ビーコンチェッカー:アカカンの設置https://www.joetsu.ne.jp/137155
[後記]
クロカンとアルペン。違う種目のスキーを続けていたお二人が、妙高でアウトドアショップをオープン。経験された人生を活かして新たな挑戦です。その想いには生まれ育った地元妙高への希望や夢を感じます。小中学生の皆さんも妙高で精一杯楽しんで学んで、夢を持ってください。
「Hello Myoko」卒業生のエッセイ自薦他薦大募集です。インタビュー形式も行っています。是非myokokogen.jhs@gmail.comまでご一報ください。
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