Hello Myokoは卒業生から在校生へ地域の人へ、妙高をテーマにしたエッセイやインタビュー記事です。
今回は2014年卒業の瀬尾 真(せお まこと)さんです。
小中高大とスキー部に所属し、現在はストックを六法全書に持ち替え、法曹界を目指し日々奮闘中。スキーから身についた事柄を中学生の皆さんへ文字のエール!
〜原点〜
瀬尾真
自己紹介
はじめまして、こんにちは。卒業生の瀬尾真です。現在、弁護士を志し、東北大学法科大学院で法律を学修*しています。3歳から父親の影響でスキーをはじめ、大学3年生になるまで1シーズンも休むことなくスキーに没頭していました。まだ社会にも出ていない未熟者ですが、妙高についてのエッセイを書く機会をいただいたので、思いの丈を伝えようと思います。
妙高での思い出
妙高での思い出は語り尽くせないほどあります。小学生の頃は、僕が非常にヤンチャだったこともあり、スキー場のコース外を友人と滑ったり、妙高高原メッセの付近を流れている川で19:00くらいまで遊んで親に怒られたりと、様々です笑
特に印象に残っているのはやはり、中学時代に所属していたアルペンスキー部での活動です。中学時代は、アルペンスキーを軸に据えて、常日頃から「早く滑るために何が必要なんだろう」と考えていた記憶があります。冬は遠征で全く学校に行けず、宿舎に送られてくる大量の課題を見て絶望していたなぁ笑。 中学の部活動からは、様々なことを学びました。スキーの技術はもちろんのこと、上下関係の在り方、敬語の使い方、挨拶の仕方等、社会を生きていく上で必要なことは全て中学の部活動から学んだと言っても過言ではないと思います。高校、大学に進学すると、挨拶するのが当たり前である境遇にいた人は、思ったよりも少なかったです。お世話になった教授にメールを送らない人がいたり、事前の挨拶をしない人がいたりと。そういう人と比較すると、僕は恵まれた環境にいたんだなぁと実感します。確かに、時には、先輩や先生、コーチからの苦言が鬱陶しいと感じる時もありました。しかし、全て自分にとって必要な言葉だったんだなと痛感しています。
中学生の自分よ、人生の先輩からの言葉は全て金言だぞと教えたいものです笑 また、部活動によって、良き仲間というかけがいのないものを手に入れたように感じます。中学、高校を卒業すると、共通の趣味を持つ人間や、自分と同様の境遇にいる人間と出会うことが少なくなります。中学の部活動を通じて、友人と共に全国大会出場・入賞という目標を掲げ切磋琢磨できたことは一生の思い出になっていると思います。是非、そういう仲間に出会った際は、その時限りの関係にするのではなく、何年も連絡を取り合う一生の友人にしていただきたいです。
妙高の人の温かさ
妙高でスキーを続けてきて一番に思ったことは、妙高の人は、温かい人が多いということです。中学の先輩は、自分のことだけでなく後輩である僕のことも気にかけて行動してくれるし、部活の顧問の先生は、職務の一環ではないにも関わらず、自分の休日を返上してまで遠征先に赴いてくれたり大会の引率をしてくれたり、コーチは、自分の車で長野県の菅平まで毎日往復してくれ、熱心に指導してくれたり、僕の人生を自分の人生であるかのように丁寧に扱ってくれる人が多いように感じます。この方達のおかげで、僕はスキーを続けることができましたし、人として成長することができました。感謝してもしきれません。
近所の人は、僕が長期休暇で妙高に帰ってくると「あらまこちゃん元気だった?」といつもお声をかけてくださったり、帰省した際にお世話になっているバイト先の皆さんは、「いつでも帰ってきて顔出しなよ〜」と言ってくださったりします。そういう人の温かさを肌で感じるとき、ああ妙高で育ってきてよかったなぁと思います。
現在
現在は、弁護士を志し、法科大学院で勉強中です。法科大学院での学修は充実しています。講義をこなしながら、司法試験に向けて自学自習を行うことの繰り返しですが笑。夏休みに参加させていただいたエクスターンシップ(職場体験のようなもの)では、間近で弁護士の業務に触れ、実際に依頼者の相談に同席させていただいたり、答弁書(依頼者の主張を要約して裁判所に提出するもの)を作成したりと、弁護士にならないとできない貴重な経験をすることができました。法曹界、ロースクールに少しでも興味がある方、是非相談してください!本当に小さなことでも、僕に助言できることがあれば、いつでも助言いたします!
後輩の皆さんへ
突然ですが、みなさんに夢はありますか。僕は、夢はあったものの飽き性なせいか、幼少期はパイロット、小学生の頃は小学校の先生、中学生の頃は社会科の先生、高校生の頃は英語教師or国家公務員と夢を変遷させてきました。今の自分が弁護士を志していると中学生の自分に言ったら、泡を吹いて倒れると思います。中学生の時、「司法試験5浪6浪当たり前」というニュースを見て「ああー世の中大変な人がいるんだなぁ自分にはまるで縁のない話だ」と思っていたのですから。
僕が弁護士を志した動機は複雑です。僕は、アルペンスキーに没頭していたせいで、大学2年生になるまで、本気で勉強に打ち込んだことがありませんでした。いつの間にかそれが自分の中のコンプレックスになっていたのかもしれません。その時ちょうど法学部に在籍していたものですから、司法試験を目指せば勉強に打ち込めると思ったのが最初の動機だったと思います。今の自分も「なんじゃその動機」と思っています笑。弁護士になるという夢が先行し、自分が弁護士に向いているのか考えるのが後になりました。今思えば、自分の強み(僕は人の気持ちを理解する能力に長けていると思っている)を活かせる職がまさに弁護士であると考えるに至ったため、その選択は間違っていなかったんだなと思います。
このように、夢は突然できたり、消えたり、ずっと一つのことを夢にしてきたのに急に変わったり、夢を設定する動機が複雑だったりします。ですから、夢がなくて焦る必要はありません。前の記事で竹田嶺くんが言及していたように、様々な経験をするなかで否が応でも必ず夢はできるからです。 もっとも、多様性が必要と言われている世の中、勉強ができること「プラスα」を求められているなと感じることが多々あります。妙高高原には、そのプラスαを見つけるためのきっかけが、沢山あるように思えるのです。そのきっかけを取り逃がさないようにしてほしいです。何か興味のあることを見つけたら、すぐに投げ出すのではなく、続けることが大切です。継続することによって、それが自分の血肉になり、夢を構成することに繋がるからです。大学院生という学生の立場で言えることは限られていますが、この記事が皆さんにとって、何らかのインスピレーションになれば幸いです。
[後記]
*【学修】 がくしゅう 小学館デジタル大辞典より
学問をまなび身につけること。修学。
瀬尾さんのエッセイで学修という言葉を初めて知りました。学習と学修の違い。是非調べてみて下さい!瀬尾弁護士にお会いできる日が楽しみですね。「Hello Myoko」卒業生のエッセイ自薦他薦大募集です。インタビュー形式も行っています。是非myokokogen.jhs@gmail.comまでご一報ください。
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