7月からのHello Myokoは、卒業生シリーズです。卒業生から在校生へ地域の人へ、妙高をテーマにしたエッセイです。今回は2013年卒業の高橋大成さんです。
~妙高のよさ~
はじめまして。妙高高原出身の高橋大成です。小さいころから妙高高原でアルペンスキーをして育ちました。今回は「妙高について」というテーマでコラムを書かせていただくこととなりましたので、私は妙高の良さにフォーカスして考えてみました。
さて、妙高といったら皆さんは何を連想しますか?私は一番初めに雄大な自然が頭に浮かんできます。春には桜、夏には山や滝、秋にはおいしい食べ物、冬には何メートルも積もる雪など、五感で四季を感じられる自然豊かなところが妙高の魅力だと私は思います。ただ、妙高でずっと生活しているとその良さに気が付かなかったりします。
私は大学進学で上京し、4年間を東京で生活しました。私自身、上京するまでは妙高の自然の美しさ、豊かさに気づくことができませんでした。子供のころから妙高に住んでいると、自然があるのが当たり前になっているのでなかなか気づくことは難しいものです。東京は知っての通りコンクリートジャングルといわれ、見上げるほどの大きな建物が所狭しと立ち並んでおり、妙高とは対照的な風景がそこに広がっていました。自然と触れ合う機会が一気に減った私は、その時「自然ってきれいだな」と心の底から思い、妙高の自然の良さに気付いたのでした。
しかし、「妙高の良さ」を読んだり、聞いたりしてもなかなか実感がわきづらいかもしれません。私も実際そうでした。そこで今回は、妙高の魅力である大自然の良さに気づくためのきっかけとして、自然の豊かさが失われてしまったらどうなるのかを考えてみましょう。
~もし自然の豊かさが無くなったら?~
では自然の中で「雪」にスポットを当てて考えてみましょう。去年の冬を思い出してみてください。豪雪地帯といわれたこの妙高の土地にほとんど雪が降りませんでしたね。雪が降らないといろいろな問題が起こりました。
雪が降らないと…?
スキーができない。
妙高ではスキーが盛んです。ですが雪がなければスキーもスノーボードもすることができません。スキーだけではなく雪合戦や鎌倉だって作ることができないのです。もし地球温暖化がこれ以上進んでしまったらスキーが全くできない未来になってしまうのかもしれません。
水が足りない。
妙高でお米を作るとき、雪解け水が欠かせません。去年の雪不足では、多くの農家さんは水が足りないため大変苦労をされたそうです。また一説によると雪が畑につもり、冬の期間に土が休まることでおいしい作物が育つそうです。
このほかにもたくさんありますが、妙高に住む人々は雪からたくさんの恩恵を受けて生きているのです。妙高のような豪雪地帯は少なく、世界に誇れる妙高の自慢なのです。
雪がたくさん降ると除雪が面倒です。しかし雪がなければ、降り積もる雪を見て「きれいだな」と感じることも、みんなで雪遊びをすることもできなくなってしまいます。そんな大雪がなくなってしまうのはとっても寂しいですよね。さらには自然が失われると妙高の良さがなくなってしまうだけでなく、普段の生活にも影響が及びます。妙高に住む私たちは自然と共に生きているのです。
~私たちができること~
今後、私たちが妙高のためにできることは妙高の自然を大切に守っていくことだと思います。妙高の自然はお金で買うことができません。一度失ってしまうとなかなか元の形に戻りません。現在の妙高には自然に関する問題があります。外来種のオオハンゴウソウという植物や、ブラックバスなど従来の生態系を壊してしまう生き物が生息しています。これらの問題は私たちが向き合わなければならないことではないでしょうか。
人工的に作ったものと、何万年、何億年という時間をかけて作り上げられた自然では大きな違いがあります。今まで受け継がれてきた妙高の美しい自然を、みんなの力で未来に残していきましょう。
All photos by Taisei
「後記」
卒業生第一弾は、アルペン競技スキー選手として単身フランススキー留学や全日本スキー選手権優勝と活躍された高橋大成さんでした。現在は妙高を拠点に社会人の傍ら、新赤倉スキークラブに所属し、ジュニアスキーや大会の役員として活動されてます。月2回を目指して更新していきますので、次回も是非お読みください。卒業生のエッセイを募集しています!
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