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執筆者の写真CS委員

Hello MyokoNo.29    築田 祥吾さん

 Hello Myokoは卒業生や地域の方から在校生へ地域へ、妙高をテーマにしたエッセイやインタビュー記事です。


 今回は2008年卒業の築田 祥吾(つくだ しょうご))さんです。祖父は笹ヶ峰の名物管理人、父は店主と妙高高原中学校近くのデメキンさんこと「築田魚酒店」の3代目です。地域と自営を模索している30代の生き方をお聞きしました。


 

「3代目はパン職人」








築田 祥吾(つくだ しょうご)さん


上越市在住

職業:ベーカリー経営者

2022年11月より、道の駅あらい「カフェ&ベーカリー パトラッシュ」経営



パン屋さんになるきっかけは?


 きっかけは、友人からの紹介です。それまではごく普通のサラリーマン。

そのときはパン屋になる未来は全く想像だにしていませんでした。 


 高校卒業で進路に悩んでるとき、父から言われていたこともあり家業には入りませんでした。

 最初に勤めていた会社から転職後に本をたくさん読むようになり、いろんな考えを学び、実践し、結果も出て、成功体験を増やしていくと少しずつ視野が広がっていきました。その頃から将来について色々考えるようになりましたね。

 コロナ禍になり会社員でいること、今後自分がやりたいことなどを考える中で「やりたいこと」を探して外ばかり見ていたときに、ふと足元を見たら実家の「酒屋」がありました。その「何かやりたい欲」を発散するかのように、新しいブランドとして瓶のオリジナルハイボールを2年かけて作りました。クラウドファンディングを企画し、直接説明するために全国を足で回り、膝を突き合わせて人と会い、語り、たくさんの方に応援していただきました。今も築田魚酒店とECサイトで販売しています。

 そんなこともあり、やはり家業を継ぎたいと考え始めました。実家の酒屋(築田酒魚店)は、祖父の代から始まって半世紀もの歴史があります。この歴史だけはどれだけお金をかけても絶対に手に入りません。父の代で畳んでしまうのは勿体無いと思うようになりました。ただ、そのまま継ぐのは家族を養うにも不安もある。。であれば、別の事業が収益源の土台としてあれば安心してやって行けると判断しました。しかし、このときもまだパン屋をやろうとは1ミリも思っていませんでした。

 とにかく出世して稼ぐことだけを考えていて、外の世界を見ようとしてなかった頃、同級生の町田君の話にとても影響を受けました。彼の夢を語る姿がとても素敵で、自分も外を見ることができるようになり(考え方が広がり)ました。とても感謝しています。

将来について悩んでいた頃、その町田君からの紹介で、パン屋の先代のオーナーと出会いました。信頼している友人からの紹介というのが大きく、地元が好きだったのもあり、この場所(パン屋)の話に迷わず即決できました。


 家業を継ぐためにも経営者としての知識と収益源となる別の事業が必要でした。先代オーナーから経営者として、パン職人としての修行が始まりました。現場の叩き込み修行でパンを焼いてきたので、職人寄りでも無く、マーケティング寄りでも無く、柔軟な発想でやれているのが今のお店のいいところかもしれません。

 

カフェ&ベーカリー パトラッシュの経営


 パン屋の経営者となって1年が経ち、初めての事ばかりで刺激的で楽しく過ぎていきました。新しい事へのチャレンジができる喜びとスタッフに恵まれたことが大きいです。

ただ、スタッフには僕のこだわりが強いことで多々困らせてしまうことがあります。これは本当に反省ですね。。

 パン屋の事業承継をしてからはちょうど一年ですが、カフェ&ベーカリー パトラッシュは11年以上前からあったので、元々のお客様に愛され続けている上に、自分たちのお客様も増えてきました。当時からご愛顧頂いているお客様を始め、地元の方がとても多いです。

 パンはハレの日に食べる食べ物、というよりは毎日の日常で食べる機会のある食べ物です。だからこそ、普段の食卓でもどんな時に食べても喜んでもらえるようにお客様に美味しいパンを届けるという意識を大前提にスタッフみんなでこだわりのパンを一から手作りしてます。

 また、店舗の場所が道の駅という立地もあり、たくさんの来訪者が来られ、当店にたくさんの方がお越しいただいておりました。

「ここのパンは美味しいね。また食べたい。」「でも何度も県をまたいで来るのも大変。。」そんなお声をたくさんいただき、今年にはスタッフの力を借りて通販を開設して全国販売ができるようにしました。

 さらに「パンまつり」を開催して、お客様に日頃の感謝を込めた還元キャンペーンをさせていただきました。また来年も開催する予定ですので、ぜひ情報(Instagram)をチェックしてくださいませ。


お店のセールスポイントは?


 地元の粉や食材を大事にしています。一番のこだわりは妙高産コシヒカリでできた米粉です。妙高で生まれ育ち、この体に染み渡っている妙高のコシヒカリは心から美味しいと思っています。その米粉パンはとにかく美味しい!大人気でほぼ毎日完売しています。県外からもわざわざ視察に来ていただくほどで、これはぜひいろんな方に食べてもらいたいです。

 若いスタッフを中心に自信を持って美味しいパンを焼いて出してますので、イベントやお店の近くにきた際はぜひ立ち寄ってみてくださいね。



実家の家業は?


 どういう形でやっていくのか今はまだ模索中ですが、酒屋として残したいと考えてます。

 お酒は人と人のコミュニケーションの潤滑油として最高。(もちろんお酒に飲まれてしまってはいけませんが…)コロナ禍もあり、コミュニケーションが希薄な時代になったのでなおさらですね。歴史をきちんと受け継いで、さらにより良くして次世代に繋いで行けたらと思ってます。


中学時代の思い出


 最初に思い出したのは劣等感ですね。。父は甲子園出場メンバー、姉はクロカン選手として全国で活躍し、もう一人の姉は成績も良く、自分は何事もこれと言って達成したというものが無く、身体も小さくて所属していた野球部も中途半端な背番号...レギュラーになれず、野球部を引退後も駅伝で県大会に出場しましたが、アンカーだった僕の頑張りが足らず入賞もあと一歩のところで逃してしまいました。本当に悔しくて、でも周りを見ると、身近な人たちが全国、世界を舞台に戦っていて、その素晴らしい活躍に対して、自分は何ができるのだろうとすごくコンプレックスがありました。だからこそ何者かに成りたい欲求が強かったです。


妙高高原の思い出


 地元の消防団、氏子のお祭り、青年会の団体活動です。積極的に関わって先輩の皆さんに礼儀やマナー、遊び方など色んなことを教えてもらいました。

地域行事はとても楽しく、家族、友達とは別のコミュニティとしてとても居心地が良く安心感がありました。今でも妙高高原のお祭りに顔を出すと声をかけていただけてとても嬉しいです。



後輩たちへ地域の人へ


 進路を考え始めた中学生には、夢を持っているなら叶えるために頑張って欲しいし、僕みたいに夢がないなと思っているなら、「将来の選択肢を広げる努力はしたほうがいいよ」「大人の意見は突っぱねず素直に聞いた上で取捨選択したらいいよ」と伝えたいです。僕も散々反抗してましたが、素直になれたから今ここにいます。

 選択肢を持ってないのはもったいない!

僕の子供時代は、知らないが故に選択肢を持てなかったので、子供たちにはそういう選択肢を広げられるような機会を作ってあげたいと思いますね。


妙高の好きな場所


 やっぱり妙高山。心のシンボルで季節毎や色んなタイミングで妙高山を見ますね。看板商品のはねうまパンは、まさに妙高山、火打山、焼山の山脈のイメージなんです。




道の駅あらい カフェ&ベーカリー パトラッシュ

open 9:00-17:00 / closed 木曜日


イベントやスタッフ募集、新商品情報を発信しております。

ぜひInstagramをみてみてください!






「あとがき」

 

 築田祥吾さんとの出会いは彼が幼少の頃。久しぶりにお会いした築田さんは背丈だけでなく、未来の夢をいっぱい秘めた青年へと大きく成長して、妙高が大好きなんだとあふれんばかりの地域愛と人生のジャンプをしっかり掴んでいるお店に立つその姿はキラキラとしていました。妙高を引っ張って行く頼もしい世代の一人です。さぁ、パン屋さんへレッツゴー!


「Hello Myoko」卒業生のエッセイ自薦他薦大募集です。インタビュー形式も行っています。是非myokokogen.jhs@gmail.comまでご一報ください。



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